結婚していない方、独り身の方が亡くなった時に取り急ぎ必要となる手続とは

遺体の安置
病院や施設で人が亡くなるとまずは身元引受人(多くは家族や後見人など)に連絡がいきます。
病院で亡くなった場合は医師から臨終が伝えられ、遺体はいったん霊安室に安置されますが、自宅や斎場へのすみやかな搬送が必要となるため、葬儀社に連絡をとり、遺体の搬送車(寝台車)と安置場所の手配を依頼します。日本の法律ではお亡くなりになったあと、最低24時間以上の安置が必要となるため、必ず必要な手続きとなります。
死亡届の提出
死亡届は死亡した日または死亡を知った日から7日以内(国内の場合)に提出する必要があります。正当な理由なしに届出期日が過ぎると3万円以下の過料を徴収されますので注意が必要です。死亡届は病院に常備されていることもあります。
なお、死亡届が提出できるのは①同居している親族②同居していない親族③親族以外の同居人、家主、地主、土地家屋の管理人④後見人、保佐人、補助人、任意後見人等です。
火葬の手続き
火葬許可を得るには死亡届を提出する必要があります。そのため、独り身の方で親族や身内の方になかなか死亡届を出してもらうことが難しい場合、自治体で手続きしてもらえる場合もあります。火葬が終わり、収骨したら納骨する場所を決めます。
荷物の処分、各種費用の精算
病院や施設に入居されていた場合、荷物の引き取りと入院費や施設利用料の清算が必要です。賃貸住宅に独り身の方がお住いの場合は住居の引き渡しのための荷物の処分やガス、電気、水道をとめる手続も必要となってきます。保険金の請求、年金や携帯電話の解約等の手続きも並行して行っていきます。
手続きにかかる費用目安
死後の短期間に上記の亡くなった後の事務手続き(以後、「死後事務」といいます。)を行う必要があり、最低でも下記の通り費用がかかることが想定されます。
入院していた場合は入院費用 | 10万円前後(高額療養費が適用される場合。自己負担限度額は年収などにより大幅に変動します) |
死亡診断書 | 3,000円~5,000円 |
死後処置 | 1万円以内 |
遺体搬送車両 | 2万円 |
安置施設利用料 | 3万円以内 |
ドライアイス代 | 5,000円~3万円 |
棺 | 2万円程度(材質などにより変動) |
骨壺 | 2000円以上(材質などにより変動) |
遺品整理、処分 | 5万円~30万円(広さ、量により大幅に変動) |
独り身の方の死後に発生する手続を誰に任せたらよいか
死後事務をご自身が亡くなった後にどなたに任せるか決められていますか?
独り身の方が亡くなった場合、費用も労力も多分にかかる死後事務を誰が行うかが問題になってきます。また、完全な独り身でなかったとしても、親族が高齢で対応が困難な場合や親族に迷惑を掛けたくないとお考えの場合や死後事務をすることとなる方が内縁のパートナーや地域の方の場合は死後事務に備えて、生前の準備が必要となります。
死後事務委任契約
死後事務委任契約とは、「生前に死後の事務を行ってもらう人と、死後事務についての具体的な内容を取り決める委任契約」のことです。
通常、委任契約は民法の規定により委任者が死亡した場合は終了してしまいます。しかし、契約の内容に「委任者の死亡により終了しない」旨の特約を付けることによって、委任者(本人)の死後でも効力の続く有効な契約とすることができます。
死亡によって終了しない「死後事務委任契約」を締結しておけば、契約をした相手(死後事務を依頼された方)は、本人の死後事務を正当な権限に基づいて本人の望む形で行うことができ、しかも、基本的には死後事務の全般を自由に委任することが可能です。
身近に頼れる人がいない方の場合、司法書士や行政書士などの専門家と契約を結ぶことにより、手続に慣れている専門家がその権限を持って仕事として引き受けてくれます。
死後事務委任契約内容の一例
・行政への届出
「諸届を依頼する」という内容を添えておくことで、死亡届や健康保険証の返納・年金の資格喪失届出などの一切の手続きを任せられます。
・葬儀関連の手続き
すぐに行う必要のある葬儀場の手配・火葬許可申請書の提出から、菩提寺への納骨・永代供養の手配まで、葬礼の手配をほぼ全て任せることが可能です。葬儀場や葬儀形式にいたるまで、細かく指定可能です。
・知人・親族への連絡
関係者に対して亡くなったことを連絡してもらえます。
・家賃・医療費・介護施設費の支払い
死亡時点まで継続して発生していた費用を清算し、家族が滞納連絡を受けるなどの心理的負担を失くすことが可能です。
・自室や介護施設の清掃
死亡時点まで過ごしていた部屋の片づけを手配してもらい、高額なものが含まれない限り家財の処分も一任することが出来ます。
死後事務委任契約の手続き方法
死後事務委任契約を行うには、委任者と受任者間で交わした決定内容を公正証書化することで可能です。そのほか、司法書士や行政書士などの専門家と契約を結ぶ場合には報酬や預託金が必要となります。
当事務所でも、今回取り上げた「死後事務委任契約」のご相談や手続きもお受けしておりますので、お気軽にお問合せください。