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遺言書を見つけてもすぐに開封するのはNG!?

今回からは、遺言をテーマにしたコラムを掲載したいと思います。
遺言は、日本ではまだまだそのメリットについて周知されておらず、
遺言作成率は約10%程度といわれています。

一方で、欧米は50%以上ともいわれ、意識そのものが日本とは異なるように思われます。
遺言書を書かないと子が困るのは当たり前だから、という考えだそうです。

遺言は、配偶者やお子さんが困らないよう、余計な争いが起きないよう、お世話になった方への感謝の気持ちとして・・・など、遺言者の想いを形にすることができます。遺言者の最後のメッセージということもいえます。

そんな遺言について、広く知っていただこうというのが数回に分けてコラムのを書く目的です。
まずは、ついうっかりやってしまいそうな間違いについて、以下述べたいと思います。

目次

遺言書を見つけるきっかけ

遺言者が生前のうちに見つけてしまったパターン

遺言全文を自分の手書きで書いた場合(自筆証書遺言といいます)、その保管場所を自宅に設定している方もいらっしゃるかと思います。そんなときは、その保管場所によってはご家族の方がその遺言書を見つけてしまうかもしれません。見つけたご家族の方は、見てみないふりをする人もいれば、こんなところにおいておいたら亡くしてしまうかもしれないからもっと厳重に保管するよう伝える人もいるでしょう。

このように、遺言者がまだ生きている間は、もちろんその遺言書を本人以外の人が開封することは厳禁です。

遺言者が亡くなった後に見つけたパターン

例えば、ご自分のお父様やお母さまが亡くなったとき、亡くなった方が生前に遺言を遺しているかどうかは、今後の相続手続に重要な影響を及ぼすので、その確認はとても大切です。そして、その過程の中で、自筆証書遺言を発見することがあります。この遺言書を見つけたときは、どう対応すればよいでしょうか。

自筆証書遺言を見つけたときの対応

遺言書を勝手に開封しない

遺品の中にあった遺言書(自筆証書遺言)を見つけたとき、その中身が気になり、開封したい気持ちが出てくると思います。しかし、そこはぐっとこらえて、開封するのを我慢しましょう。遺言書は、原則として家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ開封することができないことになっています(民法第1004条第3項)。この立会いのことを「検認手続」といいます。そして、この検認手続を経ずに遺言書を開封してしまった場合は、5万円以下の過料に処せられる可能性がありますので注意しましょう(民法第1005条)。

検認手続について

では、遺言書(自筆証書遺言)を見つけたときはどうすればいいでしょうか。その場合は、先に述べたとおり、「検認手続」を行うことになります。検認手続は、家庭裁判所に検認の申立を行うことで進めることができます。検認手続を簡単に説明すると、以下のようになります。

①申立書と添付資料を用意し、家庭裁判所に対して検認申立てを行います。
②家庭裁判所から相続人全員に対して検認手続の期日が記載された通知が送られます。
③相続人はその期日に家庭裁判所に集まり、相続人の前でその遺言書が開封されます。
④期日以後の遺言書は、家庭裁判所の検認証明が付されたものとなり、様々な相続手続きに使用することができます。

遺言には、今回のコラムで登場した自筆証書遺言のほかにも、公正証書遺言や秘密証書遺言などがあります。公正証書遺言は検認が不要となっており、公証人がその内容を事前に確認するため、確実に遺言を遺したい方におすすめの方法です。次回以降のコラムでは、遺言の種類についても触れたいと思います。

当事務所では、自筆証書遺言や公正証書遺言について、その遺言書の作成支援を行っております。
遺言について、何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せください。

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