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【離婚問題でお悩みの方へ】民法で規定されている離婚事由とは

夫婦
目次

離婚事由が必要な理由

日本では、当事者の合意のみで離婚すること(「協議離婚」といいます)が認められています。

ところが、当事者の合意がなければ離婚できないとすると、一方当事者がパートナーとしてふさわしくない行為を行い続けていたとしても、他方当事者は離婚することができません。それでは安心して婚姻生活を送ることはできませんよね。

そこで、民法では離婚事由がなければ離婚することができない、と定められています。つまり、協議離婚ができない場合でも、法定離婚事由がある場合には、夫または妻の一方は婚姻相手に対して離婚の訴えを提起し、裁判所の判断による離婚を求めることができます。ただし、調停前置主義といって、日本ではすぐに離婚訴訟を提起することはできず、まずは調停を申し立てなければならないことになっています。

調停というのは、家庭裁判所に当事者双方が出頭し、調停委員会(裁判官1名と調停委員2名で構成されています)が相互から話を聴き、合意を目指す制度です。調停で双方が合意すれば調停成立となり、離婚の効力が生じます。調停委員会が間に入ることにより、これまで当事者だけでは感情的になって話がまとまらなかった場合でも、冷静に話を進められることも多く、また、離婚訴訟よりも柔軟な取り決めが可能ですので、調停制度の必要性は高いと考えられます。

民法で規定されている離婚事由5つ

民法で規定されている裁判上の離婚事由は次の通りです。

①夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
②裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

民法第770条

離婚事由① 不貞行為

不貞行為とは結婚している人が婚姻外の異性と自由な意思のもとに性的関係を持つこととされています。不貞行為の相手との合意の有無は関係なく、また一時的なものであった、継続的なものであったかも問いません。つまり、一度でも性的な関係を持った場合でも不貞行為にあたります。メールやSNS、LINEの記録などで明らかに不貞行為をにおわせる内容があるようであれば、証拠として取っておきましょう。

なお、同性との性的関係についても「不貞行為」や「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたると認められれば、離婚事由となると考えられます。

離婚事由② 配偶者から悪意で遺棄されたとき

法律上、「悪意の遺棄」とは正当な理由がないのに夫婦の同居義務、協力義務、扶助義務を果たさないことをいいます。この「悪意」とは社会通念上、倫理的な批判を受けて当然とされるような義務違反をさします。そのため、正当な理由があるとされるような、仕事の都合による単身赴任であったり、病気治療を行うための別居、ぎくしゃくした夫婦関係の修復をはかるために冷却期間を置こうとして別居した場合には「悪意の遺棄」にはあたりません。

家事をしないことは「悪意の遺棄」になるのか

男性側から離婚請求がされた場合に「妻が家事を全くしない」と主張されることが多くありますが、この事実だけをもって「悪意の遺棄」とすることは難しいでしょう。逆に妻にだけ家事を負担させていた夫こそ協力義務を果たしていないと判断されて夫に不利な主張となってしまう可能性もあります。

離婚事由③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

配偶者からの音信が最後に途絶えたときから3年以上たって、生死が確認できない場合をさします。単に所在が不明な場合にはこの事由にはあたりません。なお、生死が不明というのは生存も死亡も証明できないことをさします。裁判ではあらゆる手を尽くして捜索したが、生死が判明しなかったことを証明する必要があります。

離婚事由④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みのないとき

統合失調症などの精神病で全く回復の見込みがない場合などがこのケースにあたります。ただし、離婚により精神病にかかった配偶者が放置されて生活困難になってしまっては問題になるため、離婚後も配偶者が生活できる具体的な手段・見通しがあるかという点がクリアできていないと、基本的には認められないと思われます。

離婚事由⑤ その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

どのような事情があれば「婚姻を継続しがたい重大な事由がある」とするかは非常に難しい問題です。例えば、性格の不一致、いわゆるセックスレス、宗教の問題や結婚当事者以外の親族とのトラブル、ギャンブル、浪費や働かないなどの今までの1号から4号に規定されていない事情がこの「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に相当するかどうかを裁判で判断することになります。

現在は基本的に破綻主義といわれる、「婚姻生活」が壊れてしまっていて修復不可と判断されるような場合に離婚が認められることが多いです。例えば、性格の不一致を原因に何年も別居をしており、その結果婚姻関係が破綻していると判断されるような場合や、生活費を使い込んで賭け事ばかりしていて婚姻生活が破綻していると判断されるようなケースです。

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離婚相談については「あずさ司法書士事務所」にご相談ください。当事務所では離婚調停、養育費差し押さえ等の裁判書類作成支援、財産分与による自宅不動産の名義変更、子供やお金の問題などに積極的に取り組んでいます。

また、司法書士は離婚調停において依頼人の代理人になることはできませんから、実際の調停手続きはご自身で進めていただくこととなります。しかし、その分、弁護士の先生に離婚調停の代理を依頼するよりも費用も安く済む場合が多いです。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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